肌荒れすると、ただ肌の調子が悪いだけなのに、なぜか人生まで難しく見えてくる。
朝、鏡を見た瞬間に、少し赤くなっていたり、ポツンと吹き出物ができていたりするだけで、気持ちが一気に重くなる。
昨日までは普通に過ごしていたはずなのに、急に外へ出るのが面倒になる。
人に会うのも少し嫌になる。
写真を撮られるのも避けたくなる。
肌は体の表面にあるものなのに、心の奥のほうまで影響してくるから不思議だ。
もちろん、肌荒れくらいで大げさだと思う人もいるかもしれない。
でも、本人にとってはけっこう大きい。
顔は毎日見る。
外に出れば人にも見られる。
だから少し荒れているだけでも、自分の全部が不調になったような気分になる。
肌の調子がいい日は、それだけで少し前向きになれる。
服を選ぶのも楽になる。
外に出る足取りも軽くなる。
逆に肌が荒れている日は、何をしても自信が少し削られている感じがする。
それは見た目の問題だけではなく、自分を守る薄い膜が弱っているような感覚に近い。
だから、スキンケアはただきれいになるためだけのものではないと思う。
自分の気持ちを少し整えるための、小さな習慣でもある。
洗顔をやさしくする。
化粧水を急がずつける。
クリームで乾燥しないようにする。
それだけで劇的に何かが変わるわけではない。
でも、自分を雑に扱わなかったという事実が残る。
肌荒れしているときほど、焦っていろいろ塗りたくなる。
早く治したくて、鏡を何度も見てしまう。
けれど、見れば見るほど気になって、さらに気持ちが落ちていくこともある。
そういう時は、少しだけ鏡から離れるのも大事なのかもしれない。
肌を見張るのではなく、肌を休ませる。
自分を責めるのではなく、今日はそういう日だと受け止める。
肌荒れは、生活の疲れや睡眠不足や季節の変わり目が、顔に出てきただけのこともある。
つまり、肌が弱いのではなく、体が少し休みたいと言っているだけかもしれない。
そう考えると、肌荒れの日は失敗の日ではなく、立ち止まる日とも言える。
今日は早く寝よう。
今日は刺激の少ないものにしよう。
今日は無理に元気なふりをしなくていい。
そんなふうに、自分に対して少しやさしくなるきっかけにもなる。
肌荒れすると、急に人生まで難しく見える。
でも本当は、人生全部が難しくなったわけではない。
ただ、今の自分が少し疲れていて、鏡の中の小さな赤みに心まで引っ張られているだけなのかもしれない。
肌はすぐには戻らない。
心もすぐには軽くならない。
それでも、やさしく洗って、保湿して、ちゃんと眠る。
その小さな繰り返しの中で、少しずつ戻っていく。
肌の調子が悪い日も、自分の価値まで下がったわけではない。
ただ今日は、少しだけ丁寧に扱ってあげる日。
そう思えたら、鏡を見る時間も、少しだけ苦しくなくなるのかもしれない。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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