2026年2月25日水曜日

肌は正直だと思った夜

洗面台の前に立ち、何気なく頬に触れたときに気づく。
ああ、今日はちゃんと出ているな、と。
目元の疲れ、少し荒れた感触。
ごまかせない現実が、そこにある。

忙しかった一日。
少し無理をした食事。
寝不足気味の数日。
心当たりはいくつもある。

肌は、嘘をつかない。
がんばったことも、怠けたことも、
静かに表面ににじませる。

責めるよりも、まずは触れてみる。
化粧水をゆっくりなじませながら、
「ちゃんと出ているね」と小さくつぶやく。

肌は正直だと思った夜。
それは少し怖くて、でもどこかありがたい。
自分の状態を教えてくれる、いちばん身近なサインだから。

明日はもう少し、丁寧に過ごそう。
そう思わせてくれる夜があることを、
悪くないと思いながら、そっとクリームを重ねた。

スキンケアをさぼった日の後悔

昨夜は、もういいやと思ってしまった。
疲れていたし、眠気も限界だった。
洗顔もそこそこに、保湿も適当にして、ベッドに倒れ込む。

そのときは、それが正解のように思えた。
体を休めることのほうが大事だ、と。

でも朝、鏡を見た瞬間にわかる。
ああ、さぼったな、と。
頬の乾き、なんとなく元気のない質感。
肌は、ちゃんと覚えている。

大きなトラブルじゃない。
取り返しがつかないわけでもない。
それでも、少しだけ後悔が残る。
たった数分のことだったのに、と。

だから今夜は、ほんの少し丁寧に。
昨日の分を取り戻すように、やさしく重ねる。
完璧じゃなくていいけれど、
続けることの大切さを思い出す夜。

さぼった日の後悔は、
明日を整えるための小さなきっかけなのかもしれない。

鏡に映るコンディション

朝、何気なく鏡を見る。
そこに映るのは顔だけれど、
本当は昨日までの自分の過ごし方が映っている気がする。

よく眠れた日は、目元がやわらかい。
少し無理をした日は、肌がくすんで見える。
言い訳をしても、鏡は正直だ。

化粧水をなじませながら、
「ああ、今日はこういう状態か」と受け入れる。
良い日もあれば、そうでない日もある。
それは天気みたいなものだと思う。

鏡に映るコンディションは、
評価するためのものじゃなくて、
気づくためのものなのかもしれない。

完璧じゃなくていい。
今の状態を知って、今できることをする。
それだけで、少しだけ一日が整う気がする。

朝の泡と夜のクリーム

朝は、泡から始まる。
まだ少し眠たい顔に、やわらかな泡をのせる。
ふわりと広がる感触が、目覚めの合図になる。

昨日の疲れや、夜のあいだにたまったものを、
静かに洗い流していく時間。
鏡の中の自分が、少しずつはっきりしていく。

そして夜。
一日を終えた肌に、ゆっくりとクリームをなじませる。
朝とは違う、落ち着いた手つき。
守るように、包み込むように。

朝は整えるための泡。
夜は労わるためのクリーム。
同じ肌でも、役割は少し違う。

一日のはじまりと終わりに触れる時間。
派手ではないけれど、確かに続いている習慣。
その小さな積み重ねが、
今日と明日を、そっとつないでいる。

高いものより続けられるもので

スキンケア売り場に並ぶ、きらびやかなボトル。
高級という言葉に、少しだけ心が揺れる。
これを使えば、何かが劇的に変わるのではないかと期待してしまう。

でも、何度も思い出す。
肌は、一度の贅沢よりも、毎日の積み重ねに反応するのだと。
特別な一本より、無理なく続けられる一本。

疲れた夜でも手が伸びるもの。
迷わず使えるもの。
なくなっても、また同じように手に取れるもの。
そういう存在が、結局いちばん頼もしい。

高いかどうかより、続けられるかどうか。
背伸びしない選択が、肌にも心にもやさしい。

今日も同じように洗い、同じように整える。
派手さはないけれど、確かな安心がある。
その繰り返しの中で、肌はゆっくり応えてくれる。

保湿という名の安心感

夜、洗顔を終えたあとの肌は、少し無防備だ。
水分が抜けていく前に、急いで何かを与えなければいけない気がする。
そんなとき、手に取るのがいつものクリーム。

指先でそっとのばすと、肌がゆっくり落ち着いていく。
さっきまで感じていたつっぱりが、やわらいでいく。
それだけで、胸の奥までほっとする。

保湿は、ただ水分を閉じ込める作業じゃない。
「今日はこれで大丈夫」と自分に言い聞かせる時間。
外の乾いた空気から守る、小さな盾のようなもの。

完璧な一日じゃなくてもいい。
少し疲れていてもいい。
せめて肌だけは、やさしく包んであげたいと思う。

保湿という名の安心感。
手のひらのぬくもりと一緒に、
明日への小さな準備をしている気がする。

季節と一緒に揺れる肌

春になると、なぜか少し不安定になる。
風はやわらかいのに、肌は落ち着かない。
花粉や気温の変化に、頬が正直に反応する。

夏は汗とともに、べたつきが気になりはじめる。
紫外線の強さを思い出して、少しだけ慎重になる。
鏡の前で「今日は大丈夫かな」と確認する朝。

秋はほっとするけれど、乾燥の気配が忍び寄る。
冬になれば、空気は澄む代わりに水分を奪っていく。
季節が変わるたび、肌もまた、静かに揺れる。

同じケアをしているつもりでも、
同じ結果にはならない。
それが少し難しくて、少し面白い。

季節と一緒に揺れる肌。
不安定だからこそ、丁寧に触れたくなる。
今日の空気を感じながら、
今日の肌に合わせて整えていく。

変わり続けることは、悪いことじゃない。
揺れながら、また戻っていく。
その繰り返しの中で、私は自分の肌を少しずつ知っていく。